子どもでも分かりやすくSDGsについて学べる本「数字でわかる!こどもSDGs★地球がいまどんな状態かわかる本★」

『数字でわかる!こどもSDGs』イメージ01

先般、『こども統計学』、『こども地政学』(株式会社カンゼン)という本を紹介しましたが、今回は、同シリーズの『数字でわかる!こどもSDGs★地球がいまどんな状態かわかる本★』を紹介します。
近頃SDGsについての本を目にする機会が増えてきていますが、子どもにとってイメージが湧きづらく理解するのが難しいかな・・・と感じる本も多い中で、写真や表・グラフなどを交えながらやさしい文章でSDGsについて学べる本書は子どものSDGs入門書として良いのではないかと思いました。
今回は、『数字でわかる!こどもSDGs★地球がいまどんな状態かわかる本★』を紹介したいと思います!

本書の内容(目次)

先ずは、本書の内容(目次)を紹介します。
目次を見ていただくと、だいたいどのようなことについて学べるのかが分かるかと思います。


はじめに
SDGsとは?


第1章 新型コロナが世界に与えた影響を見てみよう
1 新型コロナで貧困率は悪化傾向に!最大1億5000万人増!?
2 「不平等ウィルス」は貧富の差をますます拡大させた!
3 新型コロナで1億6800万人のこどもが学校に通えなくなった
4 「児童婚」を強いられる女の子が1000万人も増えるかも!
5 アジア系市民に対する人種差別や暴力が2.5倍も増えた!
6 日本でも女性やこどもへのDVが1.5倍になってしまった!
7 インドではPM2.5が40~70%も減り、青空が戻った!
8 インフルエンザが激減!病院を受信したのはわずか1.4万人
COLUMN
・こどもを守る国連機関「UNICEFユニセフ

第2章 クイズに答えて世界の現状を理解しよう
1 1日200円未満で生活するこどもは世界に何人いる?
2 家にトイレがなくて外で用を足す人は世界に何人いる?
3 学校に行けずに働くこどもは世界に何人いる?
4 読み書きできない15~24歳の若者は世界に何人いる?
5 絶滅の危機にある生き物はどれぐらいいると思う?
6 日本の国会議員のうち女性の割合は何%だと思う?
7 1990~2020年で世界の森林はどれぐらい減った?
COLUMN
・医療・人道援助活動を行う「国境なき医師団」

第3章 「暮らし」の現実を数字で見てみよう
1 世界人口の約40%にあたる30億人が家で手洗いできない!
2 きれいな水を使えない人が21億8500万人もいる!
3 電気がないまま生活をしている人が7億9800万人もいる!
4 8億2100万人が満足に食事ができずに飢えている!
5 毎日100人の民間人が紛争で殺され、その8人に1人はこども!
6 紛争や迫害により故郷を追われた人は7950万人もいる
7 開発途上国の医療施設の4分の1には電気が通っていない!
8 世界の殺人発生率は低下しているが、年間44万人が犠牲に!
9 控え目に見ても現代奴隷制の被害者が4030万人もいる
10 後発開発途上国でネットを使えるのは19.5%の人だけ
COLUMN
・難民を支援する国連機関「UNHCRユーエヌエイチシーアール

第4章 「差別」や「格差」の現実を数字で見てみよう
1 新型コロナのワクチン接種で日本や途上国は出遅れた!
2 日本のジェンダー・ギャップ指数は156カ国中120位
3 女性の約3人に1人が夫や恋人から暴力を受けたことがある
4 世界のこどものうち10億人が暴力の被害にあっている
5 年間1200万人の女の子が15歳より前に結婚している
6 日本のこどもの7人に1人は相対的貧困の状態にある
7 貧富の差は拡大中!先進国でも日本の経済格差は大きい
8 世界のこどもの12人に1人は小学校にすら通えていない!
9 障害者の10人に3人は何らかの差別を経験している
COLUMN
・国連の食料援助機関「国連WFPダブリュエフピー

第5章 「環境」の現実を数字で見てみよう
1 このままだと地球の気温は2100年までに最大3.2℃上昇する
2 2050年には海洋プラスチックの量が海にいる魚を上回る!?
3 日本の再生可能エネルギー比率は21.7%で先進国最低水準
4 世界で発生する電子廃棄物は1人あたり年間7.3kg
5 2016年だけで大気汚染が原因で420万人が早死にした
6 食べ物の13.8%は消費者に届く前にロスしてしまっている!
7 2030年までに水不足で7億人が住む場所を追われる!?
8 日本の大人は環境意識がG7のなかでダントツに低い
COLUMN
・国連の環境分野の中核機関「UNEPユネップ

付録 SDGsの17の目標をもっとくわしく知る
SDGsの17の目標をもっとくわしく知る
目標1- 貧困をなくそう
目標2- 飢餓をゼロに
目標3- すべての人に健康と福祉を
目標4- 質の高い教育をみんなに
目標5- ジェンダー平等を実現しよう
目標6- 安全な水とトイレを世界中に
目標7- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標8- 働きがいも経済成長も
目標9- 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10- 人や国の不平等をなくそう
目標11- 住み続けられるまちづくりを
目標12- つくる責任 つかう責任
目標13- 気候変動に具体的な対策を
目標14- 海の豊かさを守ろう
目標15- 陸の豊かさも守ろう
目標16- 平和と公正をすべての人に
目標17- パートナーシップで目標を達成しよう


・さくいん


[出典] 書籍:数字でわかる!こどもSDGs

本書の発行/監修者

本書の発行元は、株式会社カンゼンという会社です。
こちらの会社では “こどもシリーズ” として、本書の他にも様々な場面で役立ちそうな/ためになりそうな子ども向けの様々な教養本を発行しています。

(2022年9月現在、本書も含めて以下の9冊発行されているようです)

  • こども行動経済学 ★なぜ行動経済学が必要なのかがわかる本★
  • こども倫理学 ★善悪について自分で考えられるようになる本★
  • こども世界の宗教 ★世界の宗教と人々のくらしがわかる本★
  • こどもプログラミング ★なぜプログラミングを学ぶのかがわかる本★
  • こどもロジカル思考 ★なぜ論理的に考えることが大切なのかがわかる本★
  • 数字でわかる!こどもSDGs ★地球がいまどんな状態かわかる本★
  • こども地政学 ★なぜ地政学が必要なのかがわかる本★
  • こども統計学 ★なぜ統計学が必要なのかがわかる本★
  • こどもSDGs ★なぜSDGsが必要なのかがわかる本★

上記の内、以下の2冊も読んだのですが、こちらも大変ためになりました。
・こども地政学 ★なぜ地政学が必要なのかがわかる本★
・こども統計学 ★なぜ統計学が必要なのかがわかる本★

関連記事

先日、書店で『こども統計学』(株式会社カンゼン)という本を見つけた記事を書きましたが、同じシリーズの『こども地政学 ★なぜ地政学が必要なのかがわかる本★』を購入し子どもと一緒に読んでみたので、今回はこの本の記事を書きたいと思います[…]

子どもでも分かりやすく地政学について学べる本「こども地政学 ★なぜ地政学が必要なのかがわかる本★」
関連記事

先日書店で『こども統計学』(株式会社カンゼン)という本を見つけました。前々からサチホコママ子どもが算数でつまずかないように、身近な生活(出来事や物事)の中で算数の知識を自然に身に着けて、苦手意識を持たないようにして[…]

こども統計学★なぜ統計学が必要なのかがわかる本★

また、本書は 一般社団法人こども食堂支援機構代表理事『秋山宏次朗』さんが監修されています。
以下にプロフィールを引用・紹介します。

秋山宏次朗あきやまこうじろう(一般社団法人こども食堂支援機構代表理事)

SDGsオンラインフェスタ・ソーシャルイノベーションディレクター、企業版ふるさと納税の新たな活用モデル構築検討戦略会議・学識委員。
企業から食品の寄付やフードロスを集め全国のこども食堂に100万食以上を提供。
大手企業の社員時代から他社や行政に様々な提案をし、内閣府認定の官民連携優良事例(全国5選)など、20以上の新規プロジェクト発起人として多くの案件を実現に導く。
その他、大学での授業、講演、執筆活動まで幅広く活動するパラレルワーカー。

[出典] 書籍:数字でわかる!こどもSDGs

本書の特徴

本書の特徴としては、以下のような点が挙げられるかと思います。

  1. カラフルな文字や図、絵柄、具体的な数字を挙げて、子どもでも飽きずに読め内容を理解しやすいよう工夫されている
  2. 小学校低学年の子どもでも1人で読めるよう、ふりがな(ルビ)が振ってある
  3. 文字や行間が大きめで、視覚的に分かるよう図とセットで紹介・説明されている
  4. A5サイズ(A4の半分)なので、持ち運びがしやすい。移動中や外出先のちょっとした時間でも読めるので便利
  5. クイズを通じて世界の現状を理解できるように工夫されている
  6. SDGsに関する様々な取り組みを行う国連などの機関について紹介するコラムがある

具体的な数字や表・グラフなどで世界や日本の現状を伝えているため、小学生でも理解しやすいですし、また、海外諸国の現状と比較した日本の現状が分かり、自分たちが生活している環境を客観的に見ることができる点も良いかと思います 

まとめ

個人的には、世界で経済格差が引き起こす様々な問題について関心があり、特に経済的に恵まれず厳しい環境下で生活している家族やその子ども達の生活・教育などの問題については、現地の情報を得たり関連する記事・書物を読んだりする度に心が痛みます。
微力ながら何かできることをと思い、数年前より、フィリピンのスラム街で暮らしている子どもが家の手伝いなどで1日を過ごすのではなく、学校に通って学んだり検診などを受けられたりするような(スポンサーとして費用を負担する形で)サポート・支援をしています。
1人でも多くの子どもが将来に希望を持って生きられるよう、自分にできる範囲でこれからもサポート・支援が出来ればと思っています。

そしてわが家の子どもには、SDGsの17の目標について理解してもらい、例えば、「今自分に出来ることはなにか?」、「どうしてこういう状況になっているのだろう?」など、本人なりに考えを巡らせてみてもらえればいいなと思っています。
朝日小学生新聞を読んでいると、小学生でも環境や海外情勢に関心を持ち自分なりの考えを持っていたり、目的を持って何かに取り組んでいる子が結構多いのだな~と関心することも多いです。(今の小学生はシッカリしていますね!すごいです)

中学受験にも役立つと思いますので、もし機会があれば、本書を手にとってもらえればと思います。
今回の記事が小学生のお子さんがSDGsについての理解を深めること、また、お子さんの中学受験対策などのお役に立てば幸いです♪