先日書店で『こども統計学』(株式会社カンゼン)という本を見つけました。
前々から
と思っており、図書館へ行った際には、マンガで数の概念や法則などを伝えている本や問題の解き方を楽しい挿絵と柔らかな(易しい)言葉・雰囲気で伝えている本などを選んで、さりげなく子どもに「この本面白そうだから、読んでみない?」と声がけをしていました。
ですが、たまたまかも知れませんが、子ども向けの(小学校低学年でも読めそうなくらいの)統計学の本は今まで図書館で見たことが無かったような気がしたので、書店で見つけて即購入しました。
私は自分が理系ということもあり、統計学については知識として早いうちから子どもに知っておいて欲しいと考えていたのと、学校で統計について学ぶ前に予備知識としてなんとなくでも統計についての知識があると授業内容の飲み込み・吸収が全く違うのではないかという思いから、今回購入した本を子どもと一緒に読んでみたところ・・
大人でも始めて知るようなことも多く書いてあり、とても勉強になりました
本書の「はじめに」の部分には
『統計学はこれからを生きる人の強力な武器になる!』
と記載されています。
実際に多くの企業では、ビックデータやAI(人工知能)、統計学のアルゴリズム(計算方法)を使用して様々なデータ分析や活用を行っており、統計データを調べて読み取り活用する力が求められているため、まさに、その通りだなと思います。
また、統計学の知識があれば、普段の勉強に役立つことはもちろんですが、新聞やニュースを見るときの意識・視点が全く違ってくることや、グラフやデータに騙されることなく、真の情報を読み取り物事を正確に解釈する力も付くのではないかと期待しています。
中学受験にも役立つハズですので、もし興味があれば一度手に取ってみてくださいね!
今回は、『こども統計学』(株式会社カンゼン)について紹介します!
本書の内容(目次)
先ずは、本書の内容(目次)を紹介します。
目次を見ていただくと、だいたいどのようなことについて学べるのかが分かるかと思います!
はじめに
第1章 数字に関係することについて考えてみよう
1 「以下」と「未満」は何が違うか知ってる?
2 「平均値」と「中央値」は何が違う?
3 平均より少なくてもみんなよりも多い!?
4 どちらがわかりやすいか考えてみよう
5 どんなことが起こったのか考えてみよう
6 世界の現実を知らせる数字を見て、どう思う?
7 基準の違いで「最も多い」は変わる!?
COLUMN
・ナイチンゲールは統計学者!?第2章 わかるようでわからない「統計」って何?
1 「統計」っていったいなんだ?
2 数字をわかりやすくまとめたのが「統計表」
3 「統計表」を視覚的に表した「統計グラフ」
4 統計を知れば、自分を有利にできる
5 統計を知らないとだまされやすくなる!
6 統計学を知れば、親を説得できるかも!
7 大人たちは知らない!?「統計3大グラフ」
8 統計3大グラフ① ヒストグラム
9 統計3大グラフ② 散布図
10 統計3大グラフ③ 箱ひげ図 その1
11 統計3大グラフ③ 箱ひげ図 その2
12 統計3大グラフ③ 箱ひげ図 その3
13 グラフにはまだまだいろいろある
14 量の多い少ないは「棒グラフ」で表そう
15 量の変化を見たいなら「折れ線グラフ」で表そう
16 割合を表したいときは「円グラフ」が最適
17 割合を比較するときは「帯グラフ」を使おう
18 選ぶグラフを間違えると見づらくなる
COLUMN
・国は統計学習に力を入れ始めた第3章 問題発見から解決までできるPPDACサイクル
1 「PPDACサイクル」ってなんだ?
2 PPDACの最初の「P」は「問題を設定する」
3 PPDACの2番目の「P」は「計画を立てる」
4 PPDACの「D」は「データを集める」
5 PPDACの「A」は「データを分析する」
6 PPDACの「C」は「結論を考える」
7 PPDACサイクルをぐるぐる回そう!
COLUMN
・2020年度から「学習指導要領」が変わった第4章 いろいろな統計データを見てみよう
1 気になる統計データを探してみよう!
2 総務省統計局の「キッズすたっと」を見よう
3 自分が住む都道府県を調べてみよう
4 総務省統計局のホームページを見てみよう
5 世界人口ランキングは見るデータで変わる!?
6 都道府県別のお米の生産量を調べてみよう
7 「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」を見てみよう
8 大人がどれくらい貯金しているか見てみよう
9 テレビの視聴率はどうやって調べている?
10 データが見つからなくてもすぐにあきらめてはダメ
COLUMN
・注目を集める「データサイエンティスト」第5章 だまされるな!統計には落とし穴がある!
1 グラフにだまされるな!① 縦軸の取り方に要注意!
2 グラフにだまされるな!② ゆがんだグラフ
3 グラフにだまされるな!③ 遠近法を使ったグラフ
4 グラフにだまされるな!④ 2軸のグラフ
5 グラフにだまされるな!⑤ 立体的なグラフ
6 どこの誰が発信しているデータかを確認しよう
7 いつのデータかも必ずチェックしよう
8 「定義」を把握するクセをつけよう
9 ついついしている「思い込み」に気をつけよう
10 相関関係と因果関係の違いを理解しよう
11 相関関係と因果関係を間違えるとヤバイ!
・統計お役立ちサイト
・さくいん
[出典] 書籍:こども統計学
ちなみに、目次にある「PPDACサイクル」とは、
- P:Problem(問題を設定する)
- P:Plan(計画を立てる)
- D:Data(データを集める)
- A:Analysis(データを分析する)
- C:Conclusion(結論を出す)
「統計3大グラフ」については全くその通りで・・・恥ずかしながら、本書を読むまで知りませんでした
本書の発行/監修者
本書の発行元は、株式会社カンゼンという会社です。
こちらの会社では “こどもシリーズ” として、本書の他にも様々な場面で役立ちそうな/ためになりそうな子ども向けの様々な教養本を発行しています。
(2021年12月現在、本書も含めて以下の7冊発行されているようです)
- こども世界の宗教 世界の宗教と人々のくらしがわかる本
- こどもプログラミング なぜプログラミングを学ぶのかがわかる本
- こどもロジカル思考 なぜ論理的に考えることが大切なのかがわかる本
- 数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本
- こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本
- こども統計学 なぜ統計学が必要なのかがわかる本
- こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本
上記の内、以下の2冊も読んだのですが、こちらも大変ためになりました。
こちらについても、おいおい紹介していきたいと思います。
・数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本
・こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本
先日、書店で『こども統計学』(株式会社カンゼン)という本を見つけた記事を書きましたが、同じシリーズの『こども地政学 ★なぜ地政学が必要なのかがわかる本★』を購入し子どもと一緒に読んでみたので、今回はこの本の記事を書きたいと思います[…]
また、本書は 慶応義塾大学大学院教授・理学博士『渡辺美智子』さんが監修されています。
以下にプロフィールを引用・紹介します。
渡辺美智子(慶應義塾大学大学院教授・理学博士)
慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授・理学博士。日本学術会議連携会員。統計数理研究所客員教授、独立行政法人統計センター特別参与。専門は統計学、とくに、多変量解析と統計教育。2012年度第17回日本統計学会賞受賞。
[出典] 書籍:こども統計学
統計学のプロフェッショナルの方が監修されているので、安心して購入・子どもに与えることができました。
本書の特徴
本書の特徴としては、以下のような点が挙げられるかと思います
- カラフルな文字や図、絵柄で子どもも楽しく読める工夫がされている
- 小学校低学年の子どもでも1人で読めるよう、ふりがな(ルビ)が振ってある
- 文字や行間が大きめで、視覚的に分かるよう図とセットで紹介・説明されている
- A5サイズ(A4の半分)なので、持ち運びがしやすい。移動中や外出先のちょっとした時間でも読めるので便利
- 文章中に出てきた意味が分かりづらい/あまり馴染みの無い言葉については、同ページ内で「知っておくべきコトバ」として解説されている
- 説明の際に使用しているデータは、『クラスの20人が先週読んだ本の数』や『(サッカーチームで)対戦チームの過去10試合のエリア別失点データ』、『小学生の毎月のおこづかいの額』など・・身近なものが多く実体験と結びつけやすいため、グラフや統計について頭に入りやすい
- 巻末に「統計お役立ちサイト①、②」として実際に統計データを見ることができるサイトが紹介されているため、今まで学んできた統計学と実際の統計データを結びつけることができる
カラフルで楽しい雰囲気の本なので、算数の好き嫌いにかかわらずサラッと読めてしまうのではないかと思います
まとめ
本書を読むまで知らなかったのですが、国が統計学習に力を入れるようになってきており、高校で教えていた内容を中学校で教えるように、また、中学校で教えていた内容を小学校で教えるようになっているようですね
実際に2020年度に改定された「学習指導要領」の中では、“統計学”が重視されるようになったと紹介されていました。
– COLUMN –
国は統計学習に力を入れ始めた
「統計学の勉強をして、将来役に立つの?」と思っている人も多いかもしれませんが、心配はいりません。「統計」は将来とても役に立つ学問です。
~ 中略 ~
たとえば、41ページで紹介した度数分布表・ヒストグラムはこれまでは中学校で習っていた内容でしたが、2020年4月からは小学校で学習するようになりました。
統計は、英語と同じように世界で活躍するために必要な知識といっても過言ではありません。今の小中学生が早くから統計を勉強することで得をすることがあっても、損をすることはないはずです。
[出典] 書籍:こども統計学
– COLUMN –
2020年度から「学習指導要領」が変わった
学校で教える内容は、文部科学省の「学習指導要領」によって決められています。定期的に改定されており、小学校の学習指導要領は、直近では2020年度に改定されました。その改定の特徴のひとつが、「統計学習」の重視です。実際に、新しい学習指導要領には、「統計的な内容等の改善」として、「社会生活などのさまざまな場面において、必要なデータを収集して分析し、その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすること」という記述が含まれています。
~ 中略 ~
なかでも、これから世の中に普及していくと予想されているAI(人工知能)やロボットといった新しいテクノロジーは、データなくしては動きません。
自分が知りたい情報は何かを把握し、その情報を集めるためにはどうすればいいのかを筋道を立てて考え、その情報から結論を導き出す「統計で考える力」の重要性は、今後ますます増していくはずです。
[出典] 書籍:こども統計学
子どもが本書を通じて少しでも統計学についての興味や知識を持ち、将来的に自分でデータを分析し考える力を身に着けていってくれれば良いなと思っています。
また、(私の現在の職業である)プログラミングの世界でも、AI分析やデータサイエンス・データサイエンティストなどの仕事が増えてきているので、私自身もこれから学習して知識や仕事の幅を広げていきたいです!
今回の記事が、小学生のお子さんを持つ親御さんの参考になれば幸いです♪