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子どもがアトピー・乾燥肌ですと・・・ 対処法を調べたり対策の勉強をするために、数多くの本に目を通し、ネットの情報を集め&先輩ママ達のブログもチエックし・・と、色々と手を尽くしますよね
アトピー性皮膚炎関連の本はこれまで何冊も何冊も読んできましたが、今回ご紹介するこの本 『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊)は、「分かり易い!丁寧で細やか!信頼性も高い!」 「なんと!三拍子揃っている~!!」とまで感じた “初の” 1冊でした。
でも、正直に言いますと・・・
最初にこの本を見たときの感想は
ところが!?
この “地味さ” こそが、この本の《信頼性の高さ》を裏付ける大事なポイントの1つでもありました。
子どもの乾燥肌・アトピーのスキンケアと向きあっていく中で、常に手元&本棚に置いておきたい《基本の1冊》として、強くこの1冊をおすすめします。
表紙の印象だけで失礼な印象を抱いてしまった自分の浅はかさへの反省の気持も込めて(笑)
【補足】
おすすめ!
《本棚に置いておきたい1冊》の『子育て・育児の本』については、 こちらに関連記事があります。よかったらこちらも参照ください。
先日、とても読みやすく、心がホッコリするような子育て・育児本に出合いました 児童精神科医の佐々木 正美さん(2017年没)の著作『子育てのきほん』という本 なのですが、表紙や挿絵の色使い が、まるでディック・ブルーナさんのミッフィー[…]
子どもの乾燥肌・アトピーが治るスキンケア方法は?
治すための正しい対処・対策は?手順は?薬の塗り方の順番は? etc.・・・
この疑問の答えを探し、本やネット・ブログで情報を集めれば集めるほど、「この方法で治る!」という種類の情報は増えるばかり・・・
このようなことの繰り返しを、きっと多くの人が経験していると思います。
それでも・・
かゆみで辛そうにしている子どもの様子を見ていると、また探し始めてしまうんですよね。
よい治療をしてくれる病院はどこなんだろう??
「これだわ!」 → 早速実行! → 状況変わらず(時に悪化も・・・) → また別な方法を探す → 「これよきっと!」 → またも早速実行! → 状況変わらず(時に悪化も・・・) → またまた別な方法を・・・
これまで何度、 このパターンを繰り返してきたことでしょう?
まるで “ 無限ループ” に迷い込んでしまったかのごとく・・・
でも、ご安心ください。
おすすめしている本⇒『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(以下『本書』と省略)を読めば、巷で飛びかっている《アトピー性皮膚炎に関する情報》に、“ ループの罠 ” が潜む理由は明らかになります。
その一例を引用します。
今まで多くの患者さんや医師が常識だと思ってきたことを否定するような内容の論文がこの数年たくさん発表されるようになり(多くは欧米から)、医療現場でも混乱が起きているのです。
と、私はいい意味で開き直ることができました。
もちろん、そうした混乱が生じている背景や、その事実を踏まえた上でどのように対処するべきかのヒント,最先端の研究成果なども分かりやすく丁寧に説明・解説されています。
なので!
今まで(散々)振り回されてきた理由にもガテンがゆき、「あ~、なんだか気持ちがスッキリした 」という点にひとまず辿り着けると思います。
そして、その点に留まることはなく、「これからどのように賢く対処すべきか」という地点にまで、自らの『アトピースキンケア方法』に対する見方のレベルを引き上げてもらえること、請け合いです。
子どもの乾燥肌・アトピーが治るスキンケア方法は?
例えば虫歯予防に関しては、“毎食後にきちんと歯を磨けば防げる” というような、誰にでも当てはまる《正解》と呼べる方法が既に確立されています。
一方、アトピー性皮膚炎は “発生のメカニズムが明らかに成りつつある” という段階。
『本書』を読めば次のことがハッキリしてくると思います。
- (現時点では)《正解》と呼べる唯一の方法などはない
- 治療方法には大きく3つの重要な柱がある (※下図参照)
- 各々の肌質・体質に合う 《最適解》 的な方法はケースバイケースで対応して地道に探し出していく
「これこそ正解!」 といった都市伝説的な情報に惑わされない。
唯一の正解的な情報に巡り合おうとはしない。
この点が明確になるだけでも、アトピーっ子の保護者としては、本当に救われますよね。
更に付け加えると!
「これこそが正解!」と言えるためには、その前提として “原因がハッキリしている” という条件が必要となってくるはずです。
ところが!
アトピー性皮膚炎の悪化要因は様々な要因が複雑に絡み合っているので、「これこそが●●!」と単純に決めつけてしまうことはできないはずなのです。
であるからこそ・・ 「これこそ正解!」と断定しているケースは、「怪しい 」と捉えておくのが無難ですね。
出典:『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊)
《標準治療》という言葉が、多くの誤解を生んできたことに対する配慮なのだと思われます。
誤解に対してふれている箇所の一例を、抜粋・引用しておきます。
【ステロイドの使用法に問題がある場合】
使用法が間違っている場合、湿疹はなかなか良くなりません。「ただ塗るだけ」と医師も患者も考えがちですが、どのタイミングでどのように塗るかが薬の効果を左右します。
『子どものアレルギー』との題名の本でアトピースキンケアが重視される訳
本書は、《アトピー性皮膚炎のスキンケア》に関する内容にかなりのページ数を割いています。
当記事冒頭にある本書の表紙の画像を一見すると、私が誤解してしまったように(苦笑)、《アトピースキンケア》に関する内容は「多くなさそう・・」と感じられる方も結構いるのではないかと思います。
では、この表紙のデザインは失敗作なのでしょうか?
恐らくそうではなく、デザイン的には以下の内容を伝えたいがために、敢えてあの文字の大きさの違いを採用したのだと思われます。
著者達が伝えたかったと思われる点を、本書から引用します。
子どものアレルギー疾患で3つ重要なものをあげるとすると、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支ぜんそくとなります。したがって、この本では、これら3大小児アレルギー疾患を中心に解説をしています。
とてもさりげない表現なので、この表現の箇所だけを単体で読むとちょっと気がつきにくくはあるのですが・・
加えて、本書は《3大小児アレルギーの関連性》を強調しています。
その点は、以下の本書の章立ての構成に表れています。
・お子さんのアレルギー疾患と戦うために
・アレルギーを起こすしくみ
・食物アレルギーのメカニズム
・アトピー性皮膚炎のメカニズム
・気管支ぜんそくのメカニズム
・アレルギー疾患を予防するために
第2章 とことん解説Ⅰ アトピー性皮膚炎
第3章 とことん解説Ⅱ 食物アレルギー
第4章 とことん解説Ⅲ ぜんそく
第5章 これで安心 日常生活について
第6章 知っておきたいⅠ その他のアレルギー
第7章 知っておきたいⅡ よくある質問Q&A
※第1章の前に、『刊行にあたって』,『この本を手にとられた方へ』の2つの小章もあります
ポイントは、第2章から第4章までの3章で3大小児アレルギー疾患それぞれの詳しい解説をする前に、1つの章を設けて(第1章として)、《3大小児アレルギー疾患の関連性》の説明をいの一番に行なっている点です。
第1章のみ、章内の見出し部分(文頭に『・』が付いている部分)も転載しましたが、その内容にぜひ注目してみてください。
以降で各章を設けて解説している3大小児アレルギーについて、その前に第1章内でそれぞれのメカニズムを(3~8ページを割いて)詳しく説明しています。
その意図は、それぞれの疾患の詳しい内容に触れる前に、《総体》としてそれぞれに具体的な繋がりがある点を、「私たち読者にシッカリと認識しておいて欲しい」という点にあるのかと思われます。
その意図を予め頭にシッカリと刻んでおいてから、疾患ごとの解説の章を読み進めていくと、その繋がり(=関連性)がそれぞれの疾患の発症にも対しても(そして肝心な)治療に対しても、深い関わりがあることが、とてもスンナリと理解することができます。
逆に言うと・・・
と深く考えさせられました。
関連性・繋がりが、かなりあることは元々知っていたのですが・・・
他の書物や情報の多くは、 “アトピー性皮膚炎であればアトピー性皮膚炎に関する記述が大半” , “食物アレルギーであれば食物アレルギーに関する記述が大半” という傾向が色濃いのですよね。
そのため、結果的にそうした傾向の
と改めて自覚しました。
3大小児疾患の関連性のメカニズム
それをシッカリと意識することで、《アトピースキンケア》がアトピーのみに対するケアなのではなく、食物アレルギーの対策・治療の “出発点” でもあるというその重要性が、とても腑に落ちました。
少し長くなりますが、《関連性のメカニズム》にふれている重要な箇所を本書から引用します。
【現在、「バリア機能の低下」がアトピー性皮膚炎発症の最有力仮説】
昔は、アレルゲン(抗原)が母親から移行して子どもが食物アレルギーになり、アトピー性皮膚炎を発症すると考えられていました。したがって、妊娠中や授乳中に母親がアレルゲンになりやすい食物を避けることが予防や治療に必要だと指導されたのですが、それは間違いであることがわかりました。今最も有力な考え方は全く逆なのです。
生まれつき皮膚バリアの弱いお子さんや乾燥した冬の時期に生後の数ヶ月を過ごした赤ちゃんに湿疹(やアトピー性皮膚炎)ができやすいことがわかってきました。その赤ちゃんたちは皮膚のバリアが低下するため、外界のアレルゲンが皮膚から体内に侵入しやすくなり、アレルギーになるのではないかと考えられています。
これが現在最も有力な仮説です。また、アトピー性皮膚炎のあるお子さんの場合、皮膚を早く治療し良い状態を維持した方が中途半端な治療で皮膚炎が長引いたお子さんよりも、食物アレルギーが早く治るということをたくさんの治療で実感しています。
と、本書のおかげで気持を新たにすることができました
子どもの乾燥肌・アトピーのスキンケア方法に関し『この本をおすすめ』する理由
ここからは、子どもの乾燥肌・アトピーのスキンケア方法に関して、この本『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(以下『本書』と略)をおすすめする具体的な理由をご案内します。
子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく
まずは、本書の『刊行にあたって』のページの内容をご覧ください。
出典:『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊)
ポイントとなる箇所を引用します(画像では読みにくい箇所もあると思いますので)。
この本は2013年11月に国立成育医療研究センターBookシリーズの1つとして刊行された『こどものアレルギー』(メディカルトリビューン刊)を基に、大幅に加筆して最新の内容に改訂したものです。
『こどものアレルギー』は医師向けの最大手の情報サイトが行ったアンケート調査で2013年のベスト書籍に選ばれました。これは、過去1年間に発行された書籍の中から、医師が最もお勧めできると思う健康関連書籍を投票で決めるものです。本来は患者さん向けに書いた本ですが、医師からの評判もよく、多くの医師や保健関係者も購入していることがわかりました。
2013年以降も、アレルギー医療の分野では新たな研究成果や治療方法の発表が行われてきました。中には、これまでの常識が覆されたものもあります。そこで、最新の情報を盛り込んで新しい書籍として刊行することになりました。
“ミュージシャンズ ミュージシャン” という言葉をご存知でしょうか?
同業者であるミュージシャンから支持を得ているミュージシャンのことを表す言葉です。
つまり、“同業者のプロが認めるプロ” を意味します。
本書の原書となった『こどものアレルギー』(メディカルトリビューン刊)も、同業者の医師が選んだ年間ベスト書籍ということで、“ミュージシャンズ ミュージシャン” の書籍版と言えると思います。
プロの医師が認め&推薦した書籍の中での年間ベスト作品。
(※医師600人へのアンケート調査の結果)
《高い信頼度》という意味で、この評価に勝る評価はちょっと考えづらいぐらいですよね。
本書の原書(にあたる本)がそれ程の評価を得た書籍であった。
その事実は、本書をおすすめする大きな理由の1つになります。
なお、こちらの2013年版の『こどものアレルギー』の表紙も、一見かなり “地味な” 感じでした。
以下の画像は2013年版書籍と投票で年間ベストに選出された際の記念トロフィーになります。
◆出典先URL: https://www.ncchd.go.jp/news/2018/20181208.html
当記事の冒頭で、 このように書きましたが、
この “地味さ” こそが、この本の《信頼性の高さ》を裏付ける大事なポイントの1つでもありました。
この文章は、本書の原書が “ミュージシャンズ ミュージシャン” 的な書籍であった点を踏まえて書いたものでした。
実は・・
“ミュージシャンズ ミュージシャン” という言葉には、隠された(?)もう1つの意味合いが含まれているケースが多いのです。それは、「一般的な知名度は高くなくとも」のフレーズです。
ミュージシャンなら、「ヒットチャートに名前は出ないけど、同業者の間では高名な音楽家」の意味。
書籍なら、「ベストセラーにはならないけど、同業者には高く評価されている専門書」といったところかと。
本書の原書は一般向けの書籍ですが、並み居る専門書を抑えて1位を獲得していたようですね。
一般書でありながら専門書を上回る評価を得た理由の背景には、書籍の内容が “売らんかなぁ(=セール数を狙う)” の姿勢とは真逆の “真摯な姿勢” で執筆されていた点が多分に含まれていたはずです。
本書と原書。
両方の表紙から感じられる良い意味での “地味さ” には、実直で誠実な “質実剛健” 的な姿勢がにじみ出ているように思われます。
“売らんかなぁ” で目を引く派手な色使いや気を引くフレーズをド・ド・ド~ンと目立たせているスタイルとは、真逆に。
『刊行にあたって』のページよりもう1箇所、引用します。
2013年以降も、アレルギー医療の分野では新たな研究成果や治療方法の発表が行われてきました。
中には、これまでの常識が覆されたものもあります。
そこで、最新の情報を盛り込んで新しい書籍として刊行することになりました。前書にも増して、充実した内容になっています。
本書は、多くの専門家=プロの医師達が太鼓判を押した年間ベストの原書をベースに、最新の情報を盛り込んだ1冊ということで、その《信頼性の高さ》にはご納得いただけたと思います。
なお!
本書、『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊)の第1刷発行日は【2017年12月10日】です。
実質2018年の発行なので、2020年の現在は発刊から2年が経過したばかり。
情報の鮮度も「まだまだ高い」と言えますよね。
国立研究開発法人国立成育医療研究センターについて
本の内容に対する評価がとても高いことは伝わったと思いますので、この項では本書の編監修をされた “大矢幸弘先生”、本書の企画をされた “五十嵐 隆先生” の両氏が所属されている『国立成育医療研究センター』についてふれてみます。
以下は、お馴染み! Amazon
本書は、日本で最大の小児科病院である国立成育医療研究センターのアレルギー科で、日夜、多くのアレルギー疾患をもつ子どもたちの治療にあたる医師たち自らが執筆しています。
同病院は、多くの子どものアレルギー治療に成功するとともに、研究分野でも日本のアレルギー医療をリードする病院でもあります。 ~中略~
食物アレルギー予防についての研究を行い、発症率を8割も減少させるなど、目覚しい成果をあげています。
以下は、Wikipedia(ウィキペディア)からの引用です。
2016年には、”30 Most Technologically Advanced Children’s Hospitals in the World”(世界で最も技術的に先進的な30の小児病院)の一つとして選出された。
世界で最も技術的に先進的な30の小児病院に選ばれたって・・スゴイですね!!
そんな『国立成育医療研究センター』に勤めている医師の先生は、上述の大矢先生を筆頭に、“ドクターズ ドクター” と言って過言ではないと思います。
そんな呼び方があるかは別として
なお!
本書は以下の先生方が分担執筆をされています。
※第7章(Q&A)については文末に執筆者名の記載あり
執筆者の方が全員専門医である点が、まずポイント高し!
執筆者7名の内4名が、『国立成育医療研究センター』の先生!!
そして!
執筆者を全員身内(=国立成育医療研究センターの先生)で固めていない点も、なんだか逆に(?)信頼できる感じがして、安心ですよね。
さてさて、当記事を読まれている方の中には、私以上に疑心暗鬼度が高い方がいるかもしれないので(笑)、本書の信頼度の高さを証明する内容についてもう1点ふれておきます 。
最も信頼できる治療情報を提供する高い水準の臨床研究とは?
この見出し の内容は、本書の『この本を手にとられた方へ』(P11~P29)の中にある小見出しの中から借用させてもらいました。
当該部分では、最近色々なところでよく目&耳にする『エビデンス』という言葉にふれ、その重要性と本書の医療情報との関係性を丁寧に解説しています。
以下、その部分より一部を抜粋・引用します。
臨床医学研究で、治療法や予防法の有効性を調べるためには、いろいろな方法がありますが、現在は『エビデンスに基づく医療(EBM)』の時代になっており、科学的な方法で検証された臨床研究(基礎研究ではない)に基づいて医療現場の治療が行われることが推奨されています。
それでは科学的な方法とはどんな方法でしょうか。 ~後略~
本書ではその方法についての詳しい説明がありますが、ここでは省略をさせてもらって、その水準についての表を本書より転載させてもらいます。
本書では更に表の内容についての詳細な説明が続き、同小見出し部分の終盤は以下のように結ばれています。
私たちがこの本でとり上げるエビデンスは最も高い水準の臨床研究の結果です。
1aや1bの水準の臨床研究が発表されていない領域に関しては、その下の2aや2bの水準の研究を参考にしています。
医師の意見が異なるときには、どの水準の研究結果を基にして指導を行なっているのか確かめることができるとよいですね。
先にふれてきた通り、本書は2013年に専門家の医師が選んだおすすめ書籍の年間ベスト作品を獲得した原書が基となっています。
その高い評価を得た原書に、進展が著しいアレルギー医療分野の最先端の情報を加えて更に充実した内容とした改訂版が本書。
上述の引用部分にある、「私たちがこの本でとり上げるエビデンスは最も高い水準の臨床研究の結果です。」との力強く確信に満ちた言葉は、新たに追加された内容に対する信頼性を高めて、本書の価値を原書以上の位置へと引き上げていると感じます。
書籍の内容と執筆者の先生方が主に務める医療研究センターおよび治療情報の信頼度については、確認&納得いただけたと思いますので、以下ではもう少し細かな点にもふれてみたいと思います。
本質を大事に&理解しているからこその謙虚な姿勢が◎
『実るほど頭を垂れる稲穂かな』
2019年にノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんも好きな言葉としてあげられたこの諺。
《立派な人ほど謙虚である》との意味ですが、本書の執筆者の先生方の語り口からは、この諺の姿勢が随所に感じられ、信頼度が更に増します。
以下、一例部分です。
画像の内容の一部を引用します。
私たちの病院でも乳児湿疹と診断した上で治療をして、数年後の外来で「あのときがアトピー性皮膚炎の始まりだった」と患者さんの家族と話すこともしばしばあります。
大切なことは診断名ではなく、そのときの状況に応じて早めに適切な治療を開始することです。
この内容って、ある意味「誤診を認めてる」ってことになりますよね。
“失敗” とも取れることをサラッと認められるって、自らの姿勢に自信を持っていないとできないことですし、また逆に、自信過剰で高慢になっていてもできないことです。
そうしたことを書籍の中でさりげなくされている。
信頼度がますますアップ してしまいませんか?
きめ細やかな配慮が随所に感じられて◎
本書を読んでいると、執筆者の先生方が多方面に色々と気遣い、細やかな配慮をされていることにも気がつかされます。
時に、不勉強で新しい情報を取り入れていない同業者の医師が “アトピー治療に対する不信感を増長してしまっているという事実” をきっちりと指摘しているのですが、その語り口はあくまでもソフト。
「この方法が正解!」系の書籍にしばしば見られる他者・他所への “糾弾” 調のトーンとは明らかに違っています。
事実は事実と認めて指摘をしながらもなお、他者・他所への配慮が十分に感じられる姿勢に、好感度もおのずとアップしてしまいますね。
一例をご確認ください 。
出典:『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊)
また、そうしたきめ細やかな配慮は何も同業者に対してだけではありません。
読者に対しても、と~っても細やかな配慮 が感じられます。
「えっ?!こんな細かな点にまで・・」と、ちょっと驚きを感じるぐらいに。
では、こちらをご確認ください 。
★右から2行目の文末に 《注釈記号》 が付いていて、その直ぐ下に 《注釈内容》 が書かれています。
☆ 《注釈記号》 が付いている文章を以下に抜粋・引用します。
~中略~ 同時に皮膚を余計に傷つけていることがあります。しかし、素手で洗えば皮膚を傷つけることはありません。
★ 《注釈内容》 を以下に抜粋・引用しておきます。
もちろん爪を立てて洗えば傷ついてしまいます
最初にこの部分の注釈を見た際は正直、「少し細やかすぎない?」と感じなくもなかったのですが・・ 本書を何回も読んだ今時点では、次のように感じています。
と。
結論!【子どもの乾燥肌・アトピーのスキンケア】基本方法の確立をこの1冊で
当記事の⇒『子どものアレルギー』との題名の本でアトピースキンケアが重視される訳 の章にて、本書の章立て構成の案内をしました。
その箇所で、第1章の前にある2つの小章の案内もしましたが、その1つ『この本を手にとられた方へ』の見出し構成をご案内します。
◆小章 『この本を手にとられた方へ』(P11~P29)の見出し構成
- 最近、小児アレルギー疾患の治療には大きな変化が起きています
- 20世紀後半から急増したアレルギー疾患
- アトピー性皮膚炎? 乳児湿疹? どうしたらいいの?
- 最も信頼できる治療情報を提供する高い水準の臨床研究とは?
- どうしてアレルギー疾患になったの? 母親のせい?
- アレルギー疾患は治るでしょうか?
- 脱ステロイド治療について
- 現在、「バリア機能の低下」がアトピー性皮膚炎発症の最有力仮説
- 自然治癒力を引き出す心がけも大切
“パッと”見ただけでも、《アトピー性皮膚炎》&《ステロイド》の文字が3項目に具体的に出てきます。
また、見出しタイトルにその文字が無くても、アトピーないしステロイドの文字と話しが出てくる項目は全項目数が9点の中8点にものぼります。
8項目目のタイトル
現在、「バリア機能の低下」がアトピー性皮膚炎発症の最有力仮説
にはズバリ、“アトピー性皮膚炎の発症の最有力仮説” の表現がありますが、その項目の本文には以下のとても重要な続きが記されています。
先にも一度引用・転載した箇所になりますが、重要な部分ですので再度引用します。
~前略~ 妊娠中や授乳中に母親がアレルゲンになりやすい食物を避けることが予防や治療に必要だと指導されたのですが、それは間違いであることがわかりました。今最も有力な考え方は全く逆なのです。
生まれつき皮膚のバリアの弱いお子さんや乾燥した冬の時期に生後の数ヶ月を過ごした赤ちゃんに湿疹(やアトピー性皮膚炎)ができやすいことがわかってきました。その赤ちゃんたちは皮膚のバリアが低下するため、外界のアレルゲンが皮膚から体内に侵入しやすくなり、アレルギーになるのではないかと考えられています。
これが現在最も有力な仮説です。
⇓
《アトピー性皮膚炎の発症》
⇓
《アレルギーの発症》
この一連の流れが、食物アレルギーやぜんそくなどのアレルギー症状全般の発症に繋がっている、と考えられている訳です。
かくいう私もその1人でしたが・・
そして、だからこそ!!
《食物アレルギー》
対策にも直結する
その非常に重要な 《基本事項》 を改めて!
とても印象(心)に残るインパクトを伴って再認識させてくれたこの1冊には感謝をしています。
また、だからこそ!
おすすめもさせてもらっています
本書のもう1つの小章『刊行にあたって』には、以下の行があります(引用します)。
この本では、今はどんなことがどの程度までわかっているのか、そして現時点で最も患者さんに有益だと思われる治療は何かを明らかにしています。
この本をお読みになることで、皆さんが疑問に思っておられることの多くの部分が解決できるようにとの思いで書きました。
この文中の、《今はどんなことがどの程度までわかっているのか》の箇所はとても重要なポイントだと思います。
皆さんもそうだと思うのですが、1人のママ・保護者として、子どものアトピーのスキンケアを「できるだけ適切な方法で行ないたい!」と様々な情報を収集して実際に試してみてきたことと思います。
そして・・
これまた皆さんも同様なのでは?と思うのですが、「いいかも!?」と感じたコト・情報は、その1つ1つの結果をじっくり&しっかり検証したりはせずに(本当はそのほうがよいのはわかりつつも)、複数のコト・情報を同時進行でドンドン試してみたりしてきたのではないでしょうか。
で、そうすると・・
結果的に肌の状態が改善されたケースでも、
多分・・アレかなぁ?
と、疑問を持ち続けることになってしまうのですよね。
でも、それって “しょうがない” ことだったのですね。
ごくごく最近まで、最先端のエビデンスとは真逆のコト・情報が信じられてきていたのですし、今現在も医療の現場でさえ混乱が生じているぐらいなのですから。
本書の大きな価値の1つには、読者の 《価値観をリセット》 してくれる点があると思います。
本書の内容をシッカリと確認&理解することによって、以下の手順・順番で リスタートするのが良いかと。
積み上げてきた 《子どものアトピースキンケア》 に対する考え方や経験してきた点を一度リセット
⇓
《今はどんなことがどの程度までわかっているのか》を整理しもう一度基本に立ち返る
⇓
自分なりの 《子どものアトピースキンケアの基本方法》 を再構築
その際の 《基本テキスト》 として、本書ほど適した書籍はあまりないのではないかと感じてます。
環境整備のポイント《ダニ退治》
ご案内の終わりに、本書の環境整備に関する内容と、その内容とリンクする 《ダニ退治》 の用具類を紹介します。
当記事の⇒ 子どもの乾燥肌・アトピーが治るスキンケア方法は? の章の 《ポイント》 部分にて、本書では《標準治療》という言葉を一切使用していないことにふれました。
他方、いわゆる 《標準治療》 の内容と基本的には同じ志向性である 《治療の3本柱》 と呼ぶ方法を、アトピー治療の基本方法としていることにもふれました。
※具体的な対処法の細かな点については、《標準治療》 と 《治療の3本柱》 の内容には違いがあります。
( ex . 『プロアクティブ療法』 など)その詳細は、ぜひ本書を手にとってご確認ください
出典:『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊)
ここでは、その3本柱の中の1つ 《悪化要因の除去》 についてふれます。
本書では、『環境整備』という項目の中で、以下のインパクトある見出しをつけて、その内容の案内をしています。
見出しの名称はこちら 。
最強のアレルゲン「ダニ」
以下、その箇所の一部を本書から抜粋・引用します。
ダニアレルゲンのことを専門的な言い方でDer1(デルワン)といい、ダニの量はDer1量がホコリ1g中にどれぐらい含まれているかで評価されます。そのDer1量が10µgを超えるとぜんそくを発症するという報告があります。
そして、日本ではほとんどの家庭でその量を超えています。
※10µgの『µg』 は “マイクログラム” の単位記号
ダニアレルゲンによる室内環境の汚染(Der1量の幾何平均値)は、欧米に比べて10倍から20倍以上高い。
資料元URL:https://www.kanto.co.jp/dcms_media/other/backno8_pdf33.pdf
また、続く “寝具対策” の項目には以下の記載内容がありますので引用します。
【寝具対策について】
普通の家庭では、ダニに最もさらされやすいのは寝具です。
さらに、おとなより子どもの方が寝ている時間が長いことから、寝具対策が最も重要です。●掃除機がけはできるだけ毎日実行する。ダニにより畳と寝具はお互いに汚染され合うので、3日に1回は畳を1平方メートル当たり20秒の時間をかけて吸い込むことが望ましい
●寝具類の管理
・掃除機で吸い取る(1週間に1回は1平方メートル当たり20秒)
・布団の丸洗い
・防ダニ布団カバー、シーツの使用
・防ダニ布団を使用
まとめ
当記事では本書 『子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく』(文藝春秋刊) を以下のように案内&おすすめしてきました。
- 最先端の内容を含めた信頼性の高い医療情報のみでまとめ上げられている1冊
- 豊富な治療現場での経験も盛り込まれ細かな点まで配慮の行き渡った、とても丁寧な姿勢で作られた1冊
他方、わが家での実践については・・
本書と出会う前に既に、《脱ステロイド》 の取り組みを行なったりしました(本書が発刊された2017年末以前に既に)。
【補足】
その際の経験をまとめた内容については、 こちらに関連記事もあります。よかったら参照ください。
本ページはプロモーションを含みます 子育て・育児に関しては、どんな状況や境遇であれ、親(特に私たちママたち)は何らかの “不安やストレス” を常に抱えていると思います。 『アレルギー・アトピーの子どもの子育て』ついては、「その上・・さ[…]
本書では《脱ステロイド》治療を勧めていませんが(強く否定もしていません)、それはそれで、わが家の子どもの場合は実践後に改善効果がありましたので読後の今も特に後悔はしていません。
ですが・・
実践前に本書と出会っていたとしたら、「異なる対処方法を選んでいたかもしれないなぁ」とは思います。
また、「もっと早くこの本と出合えていたなら!!」 との気持ちはもちろんありますが・・
それはそれで!
「これから先のわが家の子どもの乾燥肌・アトピースキンケアにとって、今のタイミングで出会えたということに意味があるのだろう!」 と前向きに捉えています。
たとえこれまで違う方法を取ってきた部分があったとしても、これから先に歩みを進めていく際には、本書にある《今はどんなことがどの程度までわかっているのか》に基づいて築かれたアトピースキンケアの方法を、新たな指針にしていく心づもりでいます。
『新たな基本/ニュースタンダード』として
ところで・・
「基本」と言うと・・・
と言う方もいるかとは思います。
でも、『基本こそが1番大切なこと』 なのではないでしょうか。
だからこそ!
本書の原書を多くの専門家が推薦書籍として取り上げたのだと思います。
また、新たな説や何かひっかかるような情報に出会ったりした時に、その内容の真偽を “ささっとサクット” と確認できると安心ですよね。
ひっかかりぱなし状態・・・ ですと、余計なストレスが溜まりますからね。
その点、本書の内容は 『基本をシッカリと押さえていてかつ信頼度がとても高い』 もの。
だからこそ!
何か迷うことがあった際には、“パッと” 手にして直ぐ確認ができ、とても心強いです。
なので、“本棚に置いておきたい1冊” 。
という訳で、子どもの乾燥肌・アトピースキンケアのベテランというママ・保護者の方にも、本書はおすすめです。
そして、特に!!
まだお子さんが小さく 「これから本格的に《アトピースキンケア》に臨んでいく!」 という保護者の方には、ぜひともおすすめの1冊になります。
今回ご紹介した記事が、少しでも皆さんのお役に立つと幸いです
子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく