先日、書店で『こども統計学』(株式会社カンゼン)という本を見つけた記事を書きましたが、同じシリーズの『こども地政学 ★なぜ地政学が必要なのかがわかる本★』を購入し子どもと一緒に読んでみたので、今回はこの本の記事を書きたいと思います!
実は恥ずかしながら、今まで“地政学”とはどういうものなのか子どもに上手く説明できる程の知識がなかったので、本書はとても勉強になりました。
本書の言葉を引用・抜粋すると「地政学とは」
地政学 = Geo politics(地球の政治学)
ということで、以下のような内容だそうです。
地理的な位置関係が国家に与える政治的な影響はもちろんのこと、軍事的、経済的な影響などを地球規模の大きな視点で考える学問のことです。近年、重要度が高まっており、こどものときから地政学に触れておくと、将来きっと役立ちます。
[出典] 書籍:こども地政学
その国の“地理的条件”に着目し、隣国やその他の国同士の関係やその変化、行動などについて様々な側面から考えてみることで、日々の国際情勢に関する新聞記事やニュースの見方が断然変わってくるのではないでしょうか。
私も本書を読んでみて「あぁー、なるほど!」と国同士の関係について分かった事が沢山ありましたので、本書で地政学の基本を知ることは大変参考になるのではないかと思います。
中学受験にもきっと役立つと思いますので、もし興味があれば一度手に取ってみてくださいね!
今回は、『こども地政学』(株式会社カンゼン)について紹介します!
本書の内容(目次)
先ずは、本書の内容(目次)を紹介します。
目次を見ていただくと、だいたいどのようなことについて学べるのかが分かるかと思います!
はじめに/地政学とは、国々がともに生きる知恵を学ぶこと。
第1章 私たち日本と世界との関係を見てみよう
1 日本がどこにあるのか世界地図を眺めてみよう
2 いつもと違う地図で見ると印象が変わる!
3 日本の地理的な特徴を考えてみよう
4 日本と仲がよい国ってどの国か知ってる?
5 日本と仲が悪い国ってどの国だろう?
6 世界の国々にはさまざまなグループがある
7 日本は世界のどんなグループに属しているの?
8 世界にある日本が属さないグループを知ろう
COLUMN
・地政学の重要人物(1)マッキンダー第2章 ところで「地政学」ってどんな学問なの?
1 「みんな仲良く」が理想だけど、現実は難しい
2 いまも昔も、どう生き残るかがいちばん大事
3 ところで「地政学」ってなんだ?
4 なんで地政学では「地理」が重要なのだろう?
5 外国との関係は変わるけど、国の位置は変わらない
6 地政学を学ぶといいことはあるの?
7 欧州発祥の「地政学」は戦争のための学問だった!?
8 GHQは日本に地政学の研究を禁止した!
9 「地政学的リスク」という言葉を覚えておこう
COLUMN
・地政学の重要人物(2)マハン第3章 地政学で絶対に知っておくべきキーワード
1 「ランドパワー」と「シーパワー」ってなんだ?
2 「ランドパワー」と「シーパワー」の特徴とは?
3 「ランドパワー」と「シーパワー」は両立しない
4 「ハートランド」と「リムランド」ってなんだ?
5 「ハートランド」と「リムランド」の違いを知ろう
6 「バランス・オブ・パワー」がないと戦争が起こる!
7 「オフショア・バランシング」ってなに?
8 「チョークポイント」と呼ばれる海の重要ポイント
COLUMN
・地政学の重要人物(3)スパイクマン第4章 日本の地政学的リスクを見ていこう
1 日本の領土問題(1)ロシアが返さない北方領土
2 日本の領土問題(2)中国が狙う!?尖閣諸島
3 日本の領土問題(3)韓国との間の竹島問題
4 どうして海上自衛隊は遠く離れた中東に行くの?
5 北朝鮮のミサイルは発射後7分で日本に着弾する!
6 そもそもアメリカはどうして日本に基地を置くの?
COLUMN
・地政学の重要人物(4)チェーレン第5章 2つの超大国アメリカと中国を知ることが大事
1 日本は2つの超大国にいつも挟まれている
2 アメリカはどうして世界最強なのか?
3 中国が「超大国」と呼ばれるようになったワケ
4 アメリカと中国が仲が悪くなっているワケ
5 中国が推し進める「一帯一路」ってなんだ?
6 鉄道と水で東南アジアでの影響力拡大を目指す中国
7 次々に拠点を手に入れる中国の「債務のワナ」とは?
8 中国の「第1列島線」と「第2列島線」ってなんだ?
9 日本は米中とどんな関係をつくるべき?
COLUMN
・地政学の重要人物(5)ハンチントン第6章 歴史を振り返ると地政学がよくわかる
1 地政学を理解するには歴史を振り返ってみよう
2 ランドパワーとシーパワーは交互に力をもってきた
3 日本でもランドパワーとシーパワーが戦ってきた
4 日露戦争が起こった理由を地政学的に考える
5 日本はランドパワーになろうとして失敗に終わった
6 冷戦時代は「核」がパワーの時代だった
COLUMN
・地政学の重要人物(6)キッシンジャー第7章 未来の日本について考えてみよう
1 軍隊を持たない日本は攻められても大丈夫なの?
2 現代は「エコノミックパワー」の「地経学」が重要に
3 国同士が貿易で連携する「CPTPP」って知ってる?
4 中国の勢力拡大は脅威に!新しい中国包囲網とは?
5 「サイバーパワー」をめぐる争いが新たな主戦場に
6 「パワー」と「ルール」を握る国がいつの時代も強い
・さくいん
[出典] 書籍:こども地政学
ちなみに、目次にある「ランドパワー」と「シーパワー」とは、
- 「ランドパワー」
陸続きで他国と国境を接する大陸国家(中国、ロシアなど) - 「シーパワー」
長い海岸線を持つ海洋国家(イギリス、アメリカなど)
本書の発行/監修者
本書の発行元は、株式会社カンゼンという会社です。
こちらの会社では “こどもシリーズ” として、本書の他にも様々な場面で役立ちそうな/ためになりそうな子ども向けの様々な教養本を発行しています。
(2021年1月現在、本書も含めて以下の7冊発行されているようです)
- こども世界の宗教 世界の宗教と人々のくらしがわかる本
- こどもプログラミング なぜプログラミングを学ぶのかがわかる本
- こどもロジカル思考 なぜ論理的に考えることが大切なのかがわかる本
- 数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本
- こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本
- こども統計学 なぜ統計学が必要なのかがわかる本
- こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本
上記の内、以下の2冊も読んだのですが、こちらも大変ためになりました。
・数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本
・こども統計学 なぜ統計学が必要なのかがわかる本
先日書店で『こども統計学』(株式会社カンゼン)という本を見つけました。前々から サチホコママ 子どもが算数でつまずかないように、身近な生活(出来事や物事)の中で算数の知識を自然に身に着けて、苦手意識を持たないようにして[…]
また、本書は 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長『船橋洋一』さんが監修されています。
以下にプロフィールを引用・紹介します。
船橋洋一(一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)
1944年北京生まれ。法学博士。東京大学卒。朝日新聞社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長を経て、朝日新聞社主筆。その後、独立系民間シンクタンクを立ち上げ、福島原発事故検証(民間事故調)、新型コロナ対応検証(民間臨調)の各報告書を刊行。
[出典] 書籍:こども地政学
また、『21世紀 地政学入門』(文春新書、2016年)、『シンクタンクとは何か 政策起業力の時代』(中公新書、2019年)、『地経学とは何か』(文春新書、2020年)など著書も多数ある方だそうです。
本書の特徴
本書の特徴としては、以下のような点が挙げられるかと思います。
- カラフルな文字や図、絵柄で子どもも楽しく読める工夫がされている
- 小学校低学年の子どもでも1人で読めるよう、ふりがな(ルビ)が振ってある
- 文字や行間が大きめで、視覚的に分かるよう図とセットで紹介・説明されている
- A5サイズ(A4の半分)なので、持ち運びがしやすい。移動中や外出先のちょっとした時間でも読めるので便利
- 文章中に出てきた重要な言葉については、同ページ内で「知っておくべき言葉」として解説されている
- 説明の際に使用している図やデータは、地図や国旗が使用されていたり、色分けされたりしているので、内容が頭に入りやすい
カラフルで楽しい雰囲気の本なので、海外諸国に関心がある無しに関わらず、サラッと読めてしまうのではないかと思います
まとめ
本書を読み進める中で『地経学』という言葉も出てきます。
『地経学』とは、
ということで、以下のような内容だそうです。
国家が地政学的な目的のために、経済を手段として使うことが「地経学」です。軍事ではなく経済を使ってバランス・オブ・パワー(勢力均衡)を図ったり、経済を核兵器のように抑止力にするなど、「地経学」の重要性は増すばかりです。
[出典] 書籍:こども地政学
自国の経済力を武器にしてより有利な立場になろうとするこの『地経学』は、軍事による争いがメインだった『地政学』にとって代わり重要度を増しているとの事で・・・気候もそうですが、世界情勢もこれから様々な要素が絡み合って変動していくのでしょうね。
色々な意味で先の見えない時代ですが、自分達がどのように考え・行動していくのかということがさらに重要になっていくと思うので、沢山の情報の中から信ぴょう性のあるものを選択し考察する・・特に子どものうちからその予備知識を蓄えて欲しいと思っています
子どもが本書を通じて少しでも地政学・地経学についての興味や知識を持ち、将来に役立ててくれれば良いなと思っています
また、私自身もまだまだ知らないことが沢山あるので、これからも色々な勉強をし続けていかないといけないなと感じました。
今回の記事が、小学生のお子さんを持つ親御さんの参考になれば幸いです♪